「エントロピー増大の法則」という言葉を聞いて、「なんだか難しそう……」と感じたことはありませんか?
物理学で使われる言葉なので難しいイメージがありますが、実は私たちの身の回りにも、考え方をイメージしやすい現象がたくさんあります。
たとえば、
「熱い飲み物を置いておくと、どうして冷めるの?」
「コーヒーに入れたミルクが自然に広がるのはなぜ?」
「エントロピーが増えると、いったい何が起こるの?」
など、身近な疑問から考えていくと理解しやすくなります。
簡単にいうと、エントロピー増大の法則は、孤立した系ではエントロピーが時間とともに減少せず、増加するか一定に保たれるという熱力学の法則です。
少し難しく聞こえますが、最初から専門用語を覚える必要はありません。
この記事では、エントロピー増大の法則とは何なのか、身近な例を使いながら初心者の方にもわかりやすく解説します。
「エントロピー=乱雑さでいいの?」「氷ができるのは法則に反しない?」といった疑問についても紹介するので、一緒に順番に見ていきましょう。
- エントロピー増大の法則とは?簡単にいうとどういう意味?
- エントロピー増大の法則を身近な例でわかりやすく解説
- エントロピーはなぜ増えるの?
- 「エントロピー=乱雑さ」と覚えても大丈夫?
- エントロピーが増えるとどうなる?
- エントロピーが減ることはある?
- エントロピー増大の法則と「時間の矢」の関係
- エントロピー増大の法則と宇宙にはどんな関係がある?
- エントロピーと生命にはどんな関係がある?
- 人生や仕事で使われる「エントロピー」とは?
- エントロピーとエンタルピーの違いは?
- 情報にもエントロピーがある?
- エントロピー増大の法則と永久機関の関係
- エントロピー増大の法則で勘違いしやすいこと
- エントロピー増大の法則についてよくある質問
- まとめ|エントロピー増大の法則は身近な例から考えるとわかりやすい
エントロピー増大の法則とは?簡単にいうとどういう意味?

まずは、エントロピー増大の法則の基本的な意味から見ていきましょう。
名前は難しそうですが、身近な現象を思い浮かべるとイメージしやすくなります。
エントロピー増大の法則を一言でいうと?
エントロピー増大の法則は、簡単にイメージするなら、自然に起こる変化には「起こりやすい方向」があるということです。
たとえば、熱いコーヒーを机の上に置いておくと、少しずつ周囲へ熱が移って冷めていきます。
反対に、冷めたコーヒーをそのまま置いておいても、周囲から熱が集まって突然熱々になることは通常ありません。
このように、自然に進みやすい変化には方向があります。
エントロピー増大の法則は、こうした自然現象の方向性を理解するうえで大切な法則です。
そもそもエントロピーとは?
エントロピーは、熱力学で使われる「状態量」のひとつです。
初心者向けには「乱雑さ」や「バラバラさ」を表すものとして説明されることがあります。
ただし、エントロピー=単純な散らかり具合という意味ではありません。
もう少し踏み込むと、ある巨視的な状態を実現できる微視的な状態の数などと関係しています。
最初は、
「エネルギーや物質が一か所に偏っている状態から、より広がった状態へ移っていく現象を考えるときに登場するもの」
くらいのイメージから始めるとよいでしょう。
熱力学第二法則との関係
エントロピー増大の法則は、熱力学第二法則を表現する方法のひとつです。
熱力学第二法則では、熱が自然にどちらへ移動するのかなど、自然現象の方向性を扱います。
たとえば、
| 状態自然に起こりやすい? | |
|---|---|
| 熱いものが周囲に熱を渡して冷める | 起こりやすい |
| 冷たいものが勝手に熱くなる | 通常は起こらない |
| 気体が空間全体へ広がる | 起こりやすい |
| 広がった気体が自然に一か所へ集まる | 極めて起こりにくい |
この違いを理解する手がかりになるのが、エントロピーです。
「元に戻りにくい」のがポイント
エントロピー増大の法則を理解するときは、「元に戻りにくい」という点にも注目してみましょう。
コーヒーとミルクを混ぜることは簡単ですが、一度きれいに混ざったものを自然にコーヒーとミルクへ分離させることはできません。
割れたコップも、破片が自然に集まって元の形に戻ることはありません。
こうした自然に一方向へ進む現象を「不可逆過程」といいます。
エントロピー増大の法則を身近な例でわかりやすく解説

ここからは、身近な現象を使ってイメージしてみましょう。
熱い飲み物が自然に冷める
熱いコーヒーや紅茶を置いておくと、時間とともに冷めていきます。
これは、温度の高い飲み物から周囲へ熱が移動していくためです。
やがて飲み物と周囲との温度差が小さくなっていきます。
反対に、常温の飲み物をテーブルに置いているだけで突然熱くなることはありません。
エントロピー増大の法則をイメージしやすい代表的な例です。
コーヒーに入れたミルクが広がる
コーヒーにミルクをそっと入れると、最初は白い部分と黒い部分に分かれています。
しかし、時間が経ったりかき混ぜたりすると、全体へ広がっていきます。
一度混ざったものが自然に元の位置へ集まり、きれいに分離することはありません。
「広がって混ざっていく方向」と「自然には元へ戻らない方向」の違いをイメージできます。
香りが部屋全体に広がる
部屋の一か所で香りのあるものを置くと、その成分は周囲へ広がっていきます。
最初は一部に集まっていた分子が、時間とともに広い範囲へ拡散するためです。
反対に、部屋中へ広がった分子が自然に一か所だけへ集まることは考えにくいですよね。
これもエントロピーをイメージするのに役立つ例です。
氷が室温で溶ける
暖かい部屋に氷を置いておけば、周囲から熱を受け取って少しずつ溶けていきます。
そして十分な時間が経てば、周囲との温度差も小さくなります。
ただし、「氷が溶ける=どんな場合でもエントロピーが増える」と単純に覚えるのではなく、周囲も含めた全体を見ることが大切です。
割れたものが自然には元に戻らない
床に落としたコップが割れることはあっても、その破片が自然に飛び上がり、元のコップに戻ることはありません。
物理法則を細かく見ると少し複雑ですが、「自然現象には時間的な方向性がある」と感じられる身近な例です。
エントロピーはなぜ増えるの?

「自然にそうなるのはわかったけれど、どうして?」と気になりますよね。
ここでは、できるだけ簡単に考えてみます。
起こりやすい状態へ向かうと考えるとわかりやすい
たくさんの粒子が集まっている場合、その並び方や動き方には非常に多くのパターンがあります。
一部だけにきれいに集まっている状態よりも、空間全体へ広がっている状態のほうが、実現できる微視的な状態が圧倒的に多くなる場合があります。
そのため、私たちが目にする大きなスケールでは、より多くの微視的状態に対応する方向へ変化しているように見えます。
「整った状態」よりパターンが多い
たとえば、大量の粒を箱の片側だけに集めた状態を想像してみてください。
仕切りを外せば、粒は箱全体へ広がっていきます。
すべての粒が片側だけに存在する状態より、左右さまざまな場所に粒が存在する状態のほうが、粒の配置パターンを多く作れます。
この「状態の数」という考え方が、エントロピーを理解する重要なヒントになります。
トランプでイメージしてみよう
新品のトランプが決まった順番に並んでいるとします。
それを何度もシャッフルすれば、最初とまったく同じ順番へ戻る可能性は非常に小さくなります。
もちろん、トランプそのものが熱力学的エントロピーの直接的な例というわけではありません。
ただ、「特定の状態より、さまざまな並び方のほうが圧倒的に多い」という感覚をつかむ例として考えるとわかりやすいでしょう。
「エントロピー=乱雑さ」と覚えても大丈夫?
エントロピーについて調べると、「乱雑さ」という説明をよく見かけます。
初心者にはわかりやすい表現ですが、少し注意が必要です。
「乱雑さ」はわかりやすくするための表現
「乱雑さが増える」と考えると、エントロピーのイメージはつかみやすくなります。
しかし、物理学のエントロピーは、私たちが日常的に感じる「きれい」「散らかっている」と完全に一致するものではありません。
そのため、
エントロピー=部屋の散らかり具合
とそのまま覚えてしまうのは避けたほうがよいでしょう。
物理学では状態の数などと関係している
統計力学では、ある巨視的状態に対応する微視的状態の数とエントロピーを結びつけて考えることができます。
そのため、「乱雑さ」という言葉だけよりも、
「その状態を実現する方法がどれくらいあるか」
というイメージを持っておくと理解しやすくなります。
「部屋が散らかる」はあくまで例え
「片付けた部屋は放っておくと散らかる」という説明もよく使われます。
確かに、「整った状態を保つには手間が必要」という感覚をつかむには便利です。
ただし、部屋が散らかるのは人が物を動かした結果でもあります。
そのため、部屋の片付けは熱力学的なエントロピー増大そのものではなく、あくまで比喩として考えるのがよいでしょう。
エントロピーが増えるとどうなる?
「エントロピーが増える」と聞くと、何かがなくなってしまうように感じるかもしれません。
しかし、エネルギーそのものが突然消えてしまうわけではありません。
エネルギーそのものがなくなるわけではない
エネルギー保存則があるため、孤立した系のエネルギー総量は保存されます。
一方で、エネルギーが広く分散し、温度差などが小さくなると、そこから仕事を取り出しにくくなる場合があります。
つまり、エネルギーの「量」と「利用しやすさ」は同じ話ではないということです。
エネルギーが広がると利用しにくくなる
高温と低温の場所に差があれば、その温度差を利用して仕事を取り出すことができます。
ところが熱が移動して温度差が小さくなると、利用できる差も減っていきます。
これがエントロピーを考えるうえで大切なポイントです。
温度差が小さくなるのも身近な例
熱い飲み物が冷めるのも同じです。
飲み物から周囲へ熱が移り、やがて温度差が小さくなります。
身の回りで起こっている何気ない現象にも、熱力学の考え方が隠れているのですね。
エントロピーが減ることはある?
「増大の法則なのだから、エントロピーは絶対に減らないの?」と思うかもしれません。
実は、一部分だけに注目すればエントロピーが減ることはあります。
一部分ならエントロピーが減ることもある
エントロピー増大の法則で大切なのは、どこまでをひとつの「系」として考えるかです。
外部とのエネルギーのやり取りがある場合、その一部分のエントロピーが減っていても、周囲まで含めた全体では法則と矛盾しないことがあります。
氷ができるのは法則に反しない?
水が凍って結晶になると、液体だったときより分子が規則的に並んだように見えます。
「これではエントロピーが減っているのでは?」と思いますよね。
水が凍る際には周囲へ熱が放出されます。
水だけでなく周囲まで含めて考えることで、熱力学第二法則と矛盾しないことがわかります。
冷蔵庫で物を冷やせるのはなぜ?
冷蔵庫の中は、外より冷たく保たれています。
一見すると、自然な熱の流れに逆らっているように見えるかもしれません。
しかし冷蔵庫は電気エネルギーを使い、庫内から取り出した熱などを外部へ放出しています。
冷蔵庫だけでなく、電力供給や周囲の環境まで含めて考えることがポイントです。
エントロピー増大の法則と「時間の矢」の関係
エントロピーは「時間の矢」と呼ばれる考え方とも関係しています。
なぜ時間には過去と未来があるの?
私たちは、時間が過去から未来へ進んでいると感じています。
物理学の基本的な法則の中には時間を反転しても成り立つものがありますが、日常の巨視的な現象には明確な方向性があります。
その方向性とエントロピーの増大を結びつける考え方が「熱力学的な時間の矢」です。
割れたコップが自然に元に戻らない理由
コップが落ちて割れる映像は自然に見えます。
ところが、床に散らばった破片が集まってコップへ戻る映像を見ると、すぐに「逆再生だ」と感じるでしょう。
私たちは日常生活の中で、こうした不可逆な現象をたくさん経験しています。
動画を逆再生すると不自然に感じるのはなぜ?
煙が一か所へ集まったり、混ざった液体が分離したりする映像を見ると不自然に感じます。
これは、普段観察している自然現象とは反対方向だからです。
エントロピーは、私たちが「時間には方向がある」と感じることを考えるうえでも重要な役割を持っています。
エントロピー増大の法則と宇宙にはどんな関係がある?
さらにスケールを大きくすると、宇宙について考えるときにもエントロピーが登場します。
宇宙全体でもエントロピーは増えている?
宇宙全体の将来を考えるうえでも、熱力学第二法則は重要です。
ただし、重力が強く関係する宇宙では、身近な気体や飲み物と同じように単純化して説明できない部分もあります。
「宇宙でもエントロピーが重要な役割を持っている」と理解しておくとよいでしょう。
「宇宙の熱的死」とは?
宇宙の遠い未来について考えられているシナリオのひとつが「熱的死」です。
非常に長い時間をかけて、仕事を取り出すために利用できる温度差などが失われていく状態を指します。
これは宇宙の将来について考えられている仮説・シナリオのひとつであり、私たちの日常生活で心配するような話ではありません。
エントロピーと生命にはどんな関係がある?
「生き物は体を作ったり成長したりするから、エントロピー増大の法則に反しているのでは?」という疑問もあります。
生き物はエントロピー増大の法則に逆らっている?
生物は外部からエネルギーや物質を取り入れ、周囲へ熱や物質を放出しています。
つまり、生物だけを完全に閉じた世界として考えることはできません。
周囲とのやり取りまで含めれば、生命の存在は熱力学第二法則と矛盾しません。
シュレーディンガーの「負のエントロピー」とは?
物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは、著書『生命とは何か』の中で、生命とエントロピーについて考察しました。
そこで知られるようになった表現のひとつが「負のエントロピー」です。
現在では、生命が外部とのエネルギーや物質の交換によって秩序ある状態を維持している、といった観点から理解するとわかりやすいでしょう。
人生や仕事で使われる「エントロピー」とは?
物理学以外でも、「エントロピーが増える」という表現を見かけることがあります。
日常では比喩として使われることがある
たとえば、
「放っておくと机の上に物が増える」
「仕事のルールがいつの間にか複雑になる」
といった状況を「エントロピーが増えた」と表現することがあります。
ただし、これらは物理学のエントロピーをそのまま測定しているわけではありません。
仕事や組織について使われる場合
ビジネスでは、「仕組みを放置すると複雑になっていく」といった意味でエントロピーという言葉が比喩的に使われることがあります。
イメージを伝える表現としてはわかりやすいですが、物理学上の法則とは区別して考えましょう。
「何もしなければ人生が悪くなる」という法則ではない
エントロピー増大の法則を人生論と結びつけた表現を見かけることもあります。
しかし、熱力学第二法則が「努力しなければ人生は悪くなる」と証明しているわけではありません。
科学的な意味と、日常で使われる比喩は分けて理解することが大切です。
エントロピーとエンタルピーの違いは?
「エントロピー」とよく似た言葉に「エンタルピー」があります。
名前が似ているので混同しやすいですよね。
エントロピーとは?
エントロピーは、熱力学において自然現象の方向性などを考えるときに重要になる状態量です。
統計力学では、微視的状態の数とも結びつけて考えられます。
エンタルピーとは?
エンタルピーも熱力学で使われる状態量です。
一般に「H」で表され、内部エネルギーと圧力・体積に関係する量として定義されます。
エントロピーとエンタルピーを簡単に比較
| 項目エントロピーエンタルピー | ||
|---|---|---|
| 記号 | S | H |
| 分野 | 熱力学 | 熱力学 |
| 関係するもの | 状態の数や熱の移動など | エネルギーや熱の出入りなど |
| 同じもの? | エンタルピーとは異なる | エントロピーとは異なる |
名前は似ていますが、別の物理量です。
初心者の段階では、「名前は似ているけれど別物」と覚えておけばよいでしょう。
情報にもエントロピーがある?
実は、コンピューターや情報通信の世界でも「エントロピー」という言葉が登場します。
「情報エントロピー」とは?
情報理論では、情報の不確実性などを数量化するために「情報エントロピー」が使われます。
1948年にクロード・シャノンが発表した情報理論で重要な概念です。
熱力学のエントロピーとは同じもの?
数式上の類似性や深い関連について研究されていますが、使われる分野や意味は異なります。
そのため、初心者の場合は、
「熱力学のエントロピー」と「情報理論のエントロピー」は文脈を分けて考える
と理解しておくと混乱しにくいでしょう。
エントロピー増大の法則と永久機関の関係
「エネルギーをずっと使い続けられる機械は作れないの?」と思ったことがある方もいるかもしれません。
永久に仕事を生み出し続ける装置は作れる?
熱力学には、永久機関と呼ばれる仮想的な装置についての考え方があります。
エネルギー保存則や熱力学第二法則に反する永久機関を作ることはできないとされています。
「第二種永久機関」とは?
第二種永久機関とは、熱力学第二法則に反する働きをする仮想的な機械です。
たとえば、単一の熱源から受け取った熱を、ほかに何の変化も残さずすべて仕事へ変換し続けるような装置が該当します。
エントロピー増大の法則は、「自然界でできること・できないこと」を考えるうえでも重要なのです。
エントロピー増大の法則で勘違いしやすいこと
最後に、間違えやすいポイントを整理しておきましょう。
「世の中のすべてが散らかる」という意味ではない
エントロピーを「乱雑さ」と説明することはありますが、部屋や机が散らかることと物理学のエントロピーは同じではありません。
エントロピーが一部分で減ることはある
「増大」と名前についていますが、開いた系の一部分だけを見ればエントロピーが減ることもあります。
大切なのは、対象と周囲をどこまで含めて考えるかです。
物理学と比喩的な使い方を混同しない
人生や仕事について「エントロピー」という言葉が使われる場合は、物理学をもとにした比喩であることがあります。
科学的な法則そのものと区別して理解しましょう。
エントロピー増大の法則についてよくある質問
エントロピーは増え続けるだけ?
孤立した系では、エントロピーは減少せず、増加するか一定になります。
ただし、私たちの身の回りにある多くのものは外部とエネルギーや物質をやり取りしています。
そのため、一部分だけを見るとエントロピーが減少する場合もあります。
エントロピーを元に戻すことはできる?
局所的なエントロピーを減らすことは可能です。
ただし、そのためには外部とのエネルギーのやり取りなどが必要になり、周囲まで含めた全体で考える必要があります。
部屋を片付けるとエントロピーは減る?
「散らかった部屋を片付ける=エントロピーを減らす」と表現されることがありますが、これは主に比喩です。
物理学上の熱力学的エントロピーと、部屋の見た目の整頓状態をそのまま同一視することはできません。
エントロピー増大の法則に例外はある?
熱力学第二法則は物理学の基本法則のひとつです。
微小な系では一時的なゆらぎなどを考える必要がありますが、日常的な巨視的スケールでは非常に確かな法則として扱われています。
エントロピーと時間にはどんな関係がある?
巨視的な自然現象がエントロピーの増える方向へ進むことは、「熱力学的な時間の矢」と結びつけて考えられています。
割れたコップが自然に元へ戻らないことなどが、イメージしやすい例です。
まとめ|エントロピー増大の法則は身近な例から考えるとわかりやすい
エントロピー増大の法則という名前だけを見ると、とても難しい物理学の話に感じますよね。
しかし、熱い飲み物が冷めることや、物質が広がっていくことなど、身近な現象から考えると少しイメージしやすくなります。
簡単にポイントをまとめると、
- エントロピー増大の法則は熱力学第二法則と関係する
- 孤立した系のエントロピーは減少せず、増加するか一定になる
- 「乱雑さ」は便利な説明だが、それだけで定義できるものではない
- 一部分のエントロピーが減ることはある
- 冷蔵庫や生命も、周囲まで含めれば熱力学第二法則と矛盾しない
- 人生や仕事で使われる「エントロピー」は比喩の場合がある
という点を押さえておくとよいでしょう。
最初から難しい数式まで理解しようとしなくても大丈夫です。
まずは、「自然に起こる変化には方向があり、その方向性を考えるうえでエントロピーが重要になる」というところから覚えてみてくださいね。
